第1章 選択は『Yes』or『はい』

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セレスはまぁ、と言って顔を綻ばせた。 「あら?新しい使い魔かしら?」 グレイドの前までやってきて、二人を交互に見遣る。 当の二人はグレイドの後ろに隠れて頭だけをひょこっとだした。 「……違う。“融合召喚”ファーネス、ルシュカ」 グレイドが面倒そうにぶっきらぼうに言うと、二人はグレイドの後ろに現れた魔法陣に乗った。 「「はーい“銀灰の堕天使”」」 光が二人を覆い、おさまると、そこには黒い天使の羽と白い悪魔の羽を持ち、灰色のドレスを纏い、全てが銀に輝く灰色の堕天使がいた。 しかもかなりの美人である。 「前に会っただろ。こいつらがルシファーだ」 「久しぶりね、セレス」 「まぁ……そうだったの。お久しぶりですね、ルシファー」 どうやら面識はあるようだ。 ギルドマスターが敬語なのは気になるが……。 「じゃ、ルシファー選んでくれ」 再び依頼書の束を取り出し、ルシファーに渡した。 「うーん……1番遠い所から行きましょう。1番遠いのは…あら、秘境じゃない」 「……秘境って、探さなくちゃいけないじゃないか。何でそんなのが任務なんだ」 「秘境の薬草のストックがないんですって。国の貴族は変わり者ばかりだからきっと高価な薬草がすぐになくなるのよ」 「環境破壊だ……余分な変わり者は後で消しとくか……」
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