第14章 鳴り響く祝福と崩壊

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カーリナは、澄藍をクルクルと回し、大袈裟に挨拶してみせた。 皇帝は距離をとり、攻撃されてもすぐにかわせるようカーリナから目を放さない。 「あなたがいると、実験が上手い事いかないの」 実験に貪欲なまでの執着を見せるカーリナ。 過去、実験の妨げとなる行為をした貴族すら残虐に躊躇いなく殺害したほど、実験に関しては何者にも容赦ない。 たとえそれが皇帝でも然り。 「だから死んでもらいたくて」 カーリナはすっと鎌を皇帝に向けた。微笑を浮かべてはいるものの、優しさは一欠けらもない。 「リン……」 「姫様なら、今必死で抵抗していらっしゃるわ。無駄なのに」 皇帝に鎌を向けたまま、ゆっくりと歩いて距離を縮める。 「そうか、リンはそこにいるんだね……」 優しさのない微笑みの中に、一瞬リンの笑顔を見た気がした。ほんの一瞬だけ。あとは、カーリナの薄っぺらい笑み。 「君はどうやってリンに入り込んだんだ?」 カーリナが一度足を止め、ニッと笑う。 「簡単なことよ。姫様が持つ力はとっても自然に近いの。私は自然に生きるモノを合成する、合成獣スキルがたぁくさんあった。後は研究して応用してちょちょいのちょい。完成には時間がかかったけれど……ふふふ」
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