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おっと、そうじゃなくて何やら危ない感じだな。
いつもの僕なら……いや大抵の人はこんな時、知らん振りするだろう。
しかしこの時の僕は違った。
後々考えると春の陽気にあてられて頭がおかしくなってたとしか考えられない。
「な、なにしてるんです!お、おばあちゃんも謝ってるじゃないですか!!」
と、叫んでしまった。
「あん!?なんだやんのかクソガキ!!」
怖い怖いちょー怖い。
ちびりそうです。
あっ、アパートの鍵かけたっけ?
などと現実逃避してしまうほど恐怖が僕を支配していた。
「ムカつくガキだなぁ!!」
こわもてのあんちゃんが近寄ってきて拳を振り上げた。
殴られる!!恐怖に目を瞑り、体中に力をいれる。
ゴスッと鈍い音が響いたけど……あれ?痛くない。
「ムカつくのあなたですね」
その声に反応し、恐る恐る目を開けるとそこには美しい黒髪の女性の後ろ姿があった。
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