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惨劇を回避しやっとの思いで手にいれた昭和59年の6月…こんなにも明るい気持ちで綿流しの祭りをむかえたことなどいつあったというのだろう…?
「梨花ぁっ、梨花が嬉しそうで僕も嬉しいのですよっ…あ…ぁぅぁぅ!」
羽入はやけに明るい顔をした私を見て少し照れた様に笑う。
「…そう?今年の綿流しは最高の物になると思ったら、つい顔にでてしまったみたいね。今年は誰も祟られない…誰も死なない…それに…、」
祭りを見に赤坂が来るのだ。彼を一度…いや、何度も役立たずとののしった私。でもやはり彼は私の信じた人だった。私を一番に考え、命を掛けて助けてくれた。
ああ、早く彼に会いたい。私の騎士。
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