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「今日も地球は平和ですわ………とてもいいことですね♪」
地球の西側を守るセイレーン。
水晶で地球の人間たちを眺めながら嬉しそうにそういった。
「クラマさんも私逹に見習ってキチンと役割をこなしましょうね」
『へぃへぃ、わかってるよ。セイレーンはいつ見ても美しいなぁ』
セイレーンは通信用の水晶と手の水晶を交互に見ながら東の守護神・クラマと話をする。
「ナンパはお断りですわ。そんな暇がありましたら仕事をこなしてくださいね?」
『んまぁ、お前に言われちゃ仕方ないな。またな』
通信が切れてセイレーンはやっと仕事に戻れると安堵のため息をついた。
だが数秒とたたないうちにまた通信がきた。
「どちら様かしら?」
『よっ』
「まあ、レイさん! しばらくぶりですわね」
セイレーンの顔が明るくなる。
レイはルナから好かれているが本人は鈍いから気づいていないだろうけど。
『たまにはセイレーンからも連絡してこいよ。お前はどうも真面目でダメだ』
「真面目さはレイさんほどではありませんわ。それより私と話をしてたらルナさんが怒りませんこと?」
意地悪く笑いながらそんなことをいってみるが、もちろんレイはわからない。
『ルナの話しはやめてくれ』
「レイさんは本当にルナさんが苦手なんですね♪」
我ながら自分はよく確信をつくヤツだと思う。レイがルナを苦手なことはセイレーンもクラマも知っている。
『で、本題なんだが』
「はい?」
レイが急に真顔になったのでセイレーンの声もトーンが低くなってしまう。
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