はじまり

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『さっき、オレんとこの上空に変な太い稲妻が走った』 「いつもの雷ではないですか?」 『いや普通は上空を走るもんだが、あれは下から上にきていた』 ということは誰かが任意的に? ルナに聞いたがそんなものは見てないっていっていたという。 『ルナは稲妻は使えん……変なもんだったらヤバイし調べてみる』 「私も調べてみます。レイさん、お気をつけて」 『ああ、おまえもな』 通信が切れた。セイレーンは早速、書物室に向かって資料をあさり始める。 「稲妻ですか………どれがわかりやすいでしょう」 稲妻の性質などセイレーンにはさっぱりわからない。 こういうことはクラマに調べてもらった方がよいのだが………… 「一言も二言も多いですわ」 まさにその通り。 この間なんかもひとつのことを調べてもらうのにセイレーンを口説き落とそうと何時間かかったか。 結局、調べてもらわなくても原因がわかったけど。 「不思議な稲妻………」 セイレーンは分厚い本を開いた。 不思議な稲妻。 だがこれが事件の発端になろうとは誰も知る由がなかった………
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