導かれし勇者たち

2/16
前へ
/287ページ
次へ
地球は今日も平和。 晴天の中、4人の男女がテニスをして遊んでいた。 「カナタ~! りゅうちゃんもガンバレ~!」 「あなたなんかにボクのはるちゃんは渡しませんよ!」 「その台詞、そのままそっくり返してやる!」 カナタは目にも止まらぬ早さでラケットを振るった。速い球がリュウジのもとへ向かうが、彼は楽勝で打ち返した。 カナタ。17歳で趣味は空手。リュウジの双子の妹ハルカとは恋人同士。だがリュウジはなかなか認めないのである。 リュウジ&ハルカ。16歳の双子兄妹で趣味は読書。性格も顔も似ていない。 「リン、どっち勝つと思う?」 「さぁね……空手だったらカナタが勝つんじゃないかしら?」 リンは意地悪くウインクをした。 リン。18歳でハルカ逹のお姉さん的存在。頭もよく美人だが剣道、弓道、合気道の達人だとか。はっきりいって怖い。 「カナタがね、ハルカちゃんのことばっかり話すのよ」 「えっ、どうして?」 「さあ? カナタはよくわからないから………」 昔からカナタは不思議なヤツだった。なぜハルカを好きになったのか理由も言わないし、告白の時の台詞が「好きです、付き合ってください」だった。 正直、吹いたがハルカも気になっていたので即OKした。 「球が早くて見えない……」 「そうかしら?」 「みえるの?」 「みえるみえる♪」 リンは笑顔で頷きながら答えた。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加