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やっと家についた
とりあえず男の子を玄関に降ろし、さつきはいそいで2階へと向かう
敬一郎「お姉ちゃん!!この人どうすんの!?」
息を切らしながら叫ぶ
さつき「とにかくお母さん達の部屋に寝かしておくの!!ハジメ!!運んであげて!!」
はじめ「おい、おまえはどうすんだよ!!」
さつき「あたしは服をとるから…」
ハジメ「服っつったって男だぞ!?」
さつき「あっ…そっか」
ハジメ「服なら俺が持ってくる!」
そう言い放ってハジメは出て行った
さつき「わかった!敬一郎!!部屋に運ぶよ!!」
敬一郎「だめ!ママの所はだめ!」
さつき「そんなこと言ってられないでしょ!」
敬一郎は嫌々ながらも、さつきと共に男の子を運んだ
男の子の顔は青白く、ひどく汗をかき呼吸が荒い
さつき「この子酷い熱…すごい汗の量…敬一郎、あたしタオル取ってくるから看ててね」
と、さつきがタオルを取りに行き、部屋を出て行った
敬一郎は仏壇に置いてある母の写真を見ていると、突然男の子が起き上がった
敬一郎「あっ!お兄ちゃん。大丈夫なの?さっき急に倒れたからビックリしちゃ…た…」
男の子は話を聞いていないようだった
虚ろな目でただまっすぐを見ている
敬一郎「ねぇお兄ちゃん…大丈夫?」
男の子に近づく敬一郎
肩に触れようとしたとたん、
バシッ!!と手をはじかれ、走って家を出て行ってしまった
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