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パトカーのサイレンが鳴り響く
辺りには倒れた人の姿はあれど、男の子の姿はない
ハジメ「…足跡…見失っちまったな…これ以上捜すのは危ねぇから明日また来よう…」
いつものハジメらしくない言葉だったが、言うとおりに帰ることにした
―次の日―
さつきが料理をしていると父が見ているテレビのニュースで、昨日の事が報道されていた
アナウンサー「速報です。昨夜8時半頃、天の川市で起きた殺害現場にて、新たな情報が入ってきました。まず、容疑者として捕らえられた当時現場にいた少年なのですが、事件の事に関しても覚えておらず、病院で調べてみた結果、ショックによる記憶喪失ではないかという診断が出ました。」
さつき「え…?」
父「この子が昨日さつきたちが言ってた子だろ」
さつき「…うん」
アナウンサー「なお付近にあった死体の検視結果から、深い切り傷と、重度の複雑骨折が見られ、人間の力では有り得ない。ましてや凶器も何も持っていなかったこの子供では不可能という結果が出たため、少年は釈放されました。この少年の親族は以前の事故で亡くなっているため、引き取り手がいませんでしたが、少年は、宮ノ下佳耶子という人物の名前言っており、今朝5時に宮ノ下という人と連絡をとり、一時的に保護をして貰うことに決まりました。」
さつき「パパ…?そうなったの?」
父「あぁ…朝早くに電話があってな。身寄りがないとのことで、ウチが預かることになった…」
さつき「……そう」
さつきは納得せざるを得なかった
自分が知らないだけで向こうは知ってるみたいだったし、何よりも自分に何かを伝える途中で、倒れてしまったのだから
父「敬一郎にも説明はしとく。大丈夫。一時的なだけだから心配することはないよ」
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