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カオル「好きな人はいないよ。日本からはたぶん親の仕事の都合。たぶん日本には魔法学園はないと思うよ。ごめんね、今日用事があるから遊びには行けないよ。コペンハーゲンはデンマークの首都だよ。」
最後の質問にも答えて立ち上がろうとするが、第2波がやってくる。質問と女子に押し潰されている中、女神が降臨する。
ユイ「ちょっとどいて、あんた学園長が呼んでるわよ。」
カオル「えっ!本当?行かなきゃ。」
それまでいた女子達が渋々といった感じで道を開けてくれる。それを期にこの場から脱出し、そのまま教室を出る。僕の後ろに足音がついてくる。後ろを振り向かずに礼を言う。
カオル「ユイ、ありがとう。助かったよ。」
ユイ「べ、別にあんたを助けるためじゃないわよ。周りが五月蝿かったからよ。まぁ、お礼をさせてくれって言うなら、ケーキでいいわよ。」
カオル「わかった。行く前に寮に戻らないといけないから、ちょっと待ってて。」
ユイ「わかったわ。なら、ロビーで待ってるわ。」
寮の部屋へ戻ると、ドアを開けた瞬間白い塊が顔に飛び付いてくる。それを顔に当たる前に掴み、抱えて顔の前に持ちあげる。
カオル「ただいま。君の名前が決まったよ。今日から君の名前はウェイスだよ。」
ウェイス「みゃ~、みゃ~。」
カオル「良かった、気に入ってくれたみたいだね。」
待たせていることを思い出してすぐに着替えてウェイスを連れてロビーへと向かう。ロビーにはすでに私服に着替えたユイが待っていた。
ユイ「遅いのよ!私を待たせるなんて何様のつもりよ?ん?その子どうしたの?」
怒っていたが、頭の上に乗っているウェイスに気が付く。
カオル「飼うことになったんだよ。ねぇ、何その手?」
ユイ「私にも抱かせなさいよ。」
ユイはウェイスに手を伸ばしている。
カオル「ウェイス、ジャンプ。」
ウェイスは僕の指示に従いユイの手の中へ飛び込む。ユイは満足そうにウェイスを撫でたり、頬擦りをしている。何時までも動こうとしないので
カオル「ねぇ、ケーキ食べに行くんでしょ?」
ユイ「うん。でも、遊んでたいの。」
カオル「はぁ、今日僕は仕事だから終わるまで遊んでていいから、早く行こ。」
そう言うと、ユイは納得したのかウェイスを胸の前に抱きながら歩きだす。
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