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二人は一生懸命呼んでいるが、ウェイスの本当の主人は僕だ。だから、ウェイスはテーブルの上でどちらにも動こうとすることなく僕を見て座って待っている。その間にユイのケーキを彼女の前に置き、最後に
カオル「ウェイスおいで。」
一度呼ぶ。すると、僕の肩に飛び乗り、頭の上に上がってくる。二人ともそれを見て固まっている。そんなことを気にせず、
カオル「お客様、ご注文は以上ですね。」
そう言って、ユイのもとから離れて店長のもとへと向かう。
カオル「すいません、店長今日はもうあがります。ケーキはノルマより多目に作っておいたので大丈夫だと思います。」
店長「ああ。」
店長は訳がわからないといったまま固まっている。そんな店長をそのままにして、調理場の方々に挨拶をし、自分のとフティーと呼ばれていた子の分のケーキを持って二人のところへ戻る。戻ると、まだ二人共固まっている。そんなことを気に止めずにフティーの前にケーキを置く。すると、
フティー「ええっと、どうして神名君のところへその子は行ったの?」
カオル「え、それは「今日はウェイス貸してくれるって言ったじゃない!」ってことだよ。」
フティー「じゃ、その子はユイのじゃないの?」
カオル「うん。ウェイスはうちの子だよ。で、この子はもう私のよってどういうことかな?」
フティー「え、そ、そんなこと言ったかな。あははは。」
ケーキに手を出して誤魔化そうとしている。
カオル「はぁ~、まっいっか。それより、二人共ケーキどう?」
ユイ「おいしいわよ。」
フティー「美味しいです。」
気に入って貰えたらしい。
カオル「それなら良かった。お金はいらないからね。」
そう言って立ち上がろうとすると、
ユイ「ちょっと待ちなさい、あんた。」
何故か呼び止められてしまう。
カオル「何?」
ユイ「お母さん、今日の晩御飯スパゲッティーが食べたいだって。」
カオル「はいはい。」
立ち上がるのを止めて座り直す。
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