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「ちょっ、手繋ぐの!?」
あ、今声裏返った……
恥ずかしかったけど、光はそれをちょっとだけ笑っただけで
「逸れたら嫌だから。」
と、そのまま会話を繋げてくれた。
私は素直に嬉しかった。
声が裏返った事に突っ込まれなかった事ではなくて、逸れるのが嫌だと言ってくれた事に。
それから私達は屋台を回り始めた。
そしてその後すぐの事。
春歌が私達のすぐ近くを通り過ぎた。
藤代君と堂本と、私と同い年くらいの知らない女性と一緒に。
……半年後に、その人は四季だったと知る事になる。
声を掛けようかとも思ったけど、私は今この時間を壊さない為に、気付かない振りをした。
―そして、花火が上がる直前。
楽しい時間はあっという間で、もうメインイベント。
これが終わったら、この時間も終わり。
でも私は、どうせなら最後まで楽しもうと思った。
そして花火が、私達を含めた人々の歓声と共に打ち上がり始める。
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