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4度目の玉注ぎが終わった頃だった。
それは夏奈が本編で「帰ろ」と言う、30分前の事。
光の異変に、私は気付く。
私の隣で光の頭が微かに揺れ始める。
それと同時に、光の足がふらふらと覚束なくなる。
「ど、どうしたの!?」
私は何が起こったのか分からなくて、ただ焦るばかりだった。
足の覚束なくなった光は、私に肩に身を預けた。
光に触れた瞬間、光が異常に熱を帯びている事に気が付いた。
私の耳の近くで吐かれる吐息には、苦しさがはっきりと表れていた。
「ちょ、光!?もしかして熱あるんじゃないの?」
私がそう言うと、光は私から離れた。
明らかに苦しそうな表情をしながら。
「だ、大丈夫。ちょっと目眩がしただけさ。ほら、花火見ないと……」
そう言いながら、光は花火を見ようとした。
私はそんな光を見ていらんなかった。
光を無理矢理自分に引き付ける。
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