救えなかった時に生まれた恋

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普通、急に引っ張られたら反射的に逃げようとするものだけど、光はそれが出来ない程弱っていたようで、私の力でも簡単に引き寄せられた。 そして私は光の手を自分の首の後ろに回し、肩を貸した。 「そんなにくっついたら風邪移る……」 光はうめき声のようにそう言った。 私はそれに対応する。 「移せるもんなら移してみなさい。私は滅多に風邪ひかないから。それにしても、この熱。間違いなく今発祥したものじゃないわね?何で今日花火来たの?」 実は私、ちょっぴり医療に興味あって、今発祥した風邪かどうかぐらいはすぐに分かる。 光を肩に乗っけながら、私達はゆっくりと祭会場から離れていく。 病人を人込みの中に置いておけないし。 光は苦しそうだったけど、口を開いた。 「君と……花火……行きた…かった……から。」 それを聞いた瞬間、私も光と同じくらい熱を帯びた。 反射的に、恥ずかしくて光から離れそうになる。 ……離さなかったけどね。 光は自分で何を言っているか、分かっているのかな?
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