救えなかった時に生まれた恋

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光は仰向けになって私の膝の上にいた。 膝枕って言うのかな? 光がどうしてもって言うから特別に。 長椅子なんかに座ってた方が雰囲気は出るんだけど、光を動かせないから。 光はその状態で、意識が朦朧としていた。 そんな時だった。 公園からこんな声が聞こえてくる。 「ここで言わなきゃいけない、そんな気がしたんだ。」 ……なんか私、とんでもない場面に居合わせてるんじゃ…… 私は誰の声か、この時は分からなかった。 ただ、その言葉を発したのは女性だという事は分かった。 とりあえず関与する訳にはいかないので、そのまま聞いているだけにしようとする。 次の言葉が発せられる。 「私ね、この四ヶ月間ずっと考えてた。私、このままで良いのかな?って。」 この時、私はこの声が聞いた事がある声かもしれないという事に気が付く。 当たってほしくないけどどうしても気になって、確認しようとする。 勿論、光は乗せたまま。 私は木陰から公園を覗き込んだ。
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