救えなかった時に生まれた恋

7/30
前へ
/188ページ
次へ
そこでは知らない二人がキャッチボールをしていた。 私はこのまま通り過ぎるのだと思ったけれど、春歌はこの二人を呼んだ。 話を聞いていると、二人はどうやら冬哉の友達のよう。 でも、二人は非協力的。 ていうか、藤代君と呼ばれた人物は喋っていなくて、どちらかと言うと斎藤君一人が拒否している感じ。 しかも春歌は肝心な所で引きそうになるし。 だから私は見ていらんなくなって、 「冬哉の友達なら有無を言わず着いて来る!!」 と言って、斎藤君を強制的に引っ張って行った。 斎藤君の第一印象は最悪だった。 でも、後々に彼の事を分かっていく事となる。 ―――---・・・ 斎藤君の本名は斎藤光と言うらしい。 彼が走りながら教えてくれた。 春歌に着いて来た私達は、街の中でも来た事が無い場所に来ていた。 薄暗くて、春歌には一生縁がなさそうな場所。 夕方になって、辺りは更に物騒になる。 一体、春歌は何処を目指しているのだろう?
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加