救えなかった時に生まれた恋

9/30
前へ
/188ページ
次へ
そして、夏奈は冬哉にそれを謝りに行こうとした所を、堂本に妨害されているのだろう。 酷い…… そんな事はさせないっ!! まだ修復は可能な筈なんだから。 私はそう思い、夏奈の元へ駆け付けようと足を踏み出した時、風が勢いよく私の横を駆けて行った。 いや、風ではなかった。 風に見えたのは光だった。 光も堂本の策略に気が付いたのだろう。 走りながら何かを叫んで、そして堂本を…… ……殴った。 残された私達3人もすぐに駆け付ける。 光が堂本に叫び続けている言葉が、近づくに連れてはっきりと聞こえてくる。 「――んで何してんのか分かってんのか!?人の彼女にまで手出しやがって!!」 そして私達が到着した頃に、光は堂本の胸倉を掴む。 私はすぐに夏奈に駆け寄る。 夏奈は驚きを隠せない様子だ。 「瞳!?どうしてここに!?春歌も!!」 そう言う夏奈の身体は震えていた。 恐怖?罪悪感? 私は理由を聞く事ができなかった。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加