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部屋を後にした鶴乃が沖田に付いて歩いていると、目の前にいた彼が急に立ち止まった。
「鶴乃」
「何ですか?」
「いったい何を考えているんです?」
振り返った沖田は微笑んでいる。
「……あたしが何か企んでいる、と?」
鶴乃がくすくすと笑う。
「あたしがそんなこと……」
「私はごまかせませんよ、鶴乃」
顔を鶴乃の目の前に突き出す沖田。
至近距離で、二人の目が合う。
「だって、今の鶴乃からは私と同じ匂いがするんです」
そう言って沖田はにこりと笑った。
「なにか楽しいこと、企んでるでしょ?」
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