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      *** 翌日。 朝餉を食べ終えた沖田は自室で着替えを済ませ、道場に向かっていた。 庭に面する廊下を通っていると、掃き掃除をしている鶴乃の背中が目に入った。 「おはようございます、鶴乃」 突然の声にびくりとする背中。 「沖田さん」 おはようございます、と振り返った彼女は言った。 「稽古ですか?」 袴姿の沖田を見て、鶴乃が言う。 「はい。今日は、稽古に出ようと思いまして」 「いつも出ていないんですか」 『今日は』の部分を強調して言った沖田に、鶴乃は苦笑する。 沖田が笑って誤魔化していると、鶴乃が何かを思い出したようだった。 「あの……朝餉、どうでしたか? お紺さん達と一緒に作ったんですけど……味付けとか、変わってませんでしたか?」 不安げな表情をする鶴乃。 「いつもと変わらず、おいしかったですよ」 笑顔で言った沖田の言葉に、鶴乃はよかった、と安心したように呟く。 「そうだ、鶴乃……」 「あ、そろそろ行かないといけませんよね」 何かを言いかけた沖田を遮り、鶴乃が笑顔で手を振る。 「稽古、頑張ってくださいね」 「……行ってきます」 一瞬不満そうに顔を歪めた沖田だったが、鶴乃の笑顔に答えるように、笑顔で手を振って道場へと向かった。 .
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