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――どうやったら永倉さんみたいにうまく稽古をつけられるんでしょうか……
隊士に稽古をつける永倉を見ながら、沖田は道場の隅に腰を下ろす。
天才剣士と名高い沖田だが、人に教えることは苦手だった。
剣に関しては天賦の才能を持ち合わせていたと言っても過言ではない。
それ故に、呼吸と同じように当たり前にできることを人に教えるというのはとても難しいことであった。
「それにしても暇ですねぇ……」
沖田が呟いていると、何やら道場の入り口が騒がしくなった。
「あっ、こら、勝手に……」
「失礼いたします!」
道場内が静まり返り、入り口に立つ少年に視線が注がれる。
「……なんだ、お前?」
永倉が歩み寄る。
身の丈は小柄な永倉とあまり変わらない。
「すみません、永倉隊長……」
先程少年を引き止めていた隊士が申し訳なさそうに頭を下げる。
「突然お邪魔して申し訳ありません、上山彦次郎と申します。
私も稽古に参加させていただけませんか?」
十五、六に見える彦次郎と名乗る少年は、お願いしますっ、と勢いよく頭を下げた。
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