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鶴乃助は、父の妹の子でした。
彼……いや、彼女に会ったのは私が九つの時、彼女は確か、四つの時でした。
叔母が大坂に帰郷した際、叔父と三人で半月程滞在しておりました。
その間私は叔母に頼まれ、彼女に忍としての心構えや基礎的なことを身に付けさせていました。
彼女は優れていて、一度教えると次の日には完璧にこなしていたのをよく覚えております。
あの装束も、クナイも、山崎家に伝わる物。
恐らく叔母の物を受け継いだのでしょう。
戦法も、私が教えた物に磨きをかけたものでした。
最初に出会った時に気づくべきだったのです。
鶴(カク)が鶴乃助である、と。
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