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「乾杯!」
合コンの幹事が乾杯の音頭をとり、スタートした。
早速始まった自己紹介を聞きながらぼんやりと今日のメンバーを眺める。
女の子は愛美の学生時代の友人とかで、面識はなかった。
男性側は、愛美の知り合い繋がりらしいが、みんな年上のようだった。
ビールを飲みながら、つい目の前に座る男性を隆司と比べている自分に気付く。
隆司の方が、もっと優しく笑う…隆司の方がもっと気が利く…隆司は、煙草なんて吸わない……。
思わず小さく溜め息をつく。
あたし、こんなとこで何してるんだろう…。
話し掛けてくる男性を適当にあしらいながらも、飲むスピードはどんどん上がっていった。
「ちょっと、美咲大丈夫?今日早くない?」
「全然、大丈夫!」
満面の笑みでそう答えると、愛美は、飲みすぎたら駄目だよ、と念を押して自分の席に戻った。
「美咲ちゃんて、お酒強いんだね。」
愛美と入れ替わるように、隣に座る男が言った。
「そんなことないですよ~。もう酔っちゃいました。」
この人誰だっけ?
自己紹介を全然聞いてなかったのでさっぱり分からない。
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