1260人が本棚に入れています
本棚に追加
ワカレテクレナイカ?
沸かれて暮れな医科?
WAKARETEKURENAIKA?
わカレテくれ―――?
…………………………。
あたしは、何を言われたのか理解することができず、可愛く首をかしげたままの状態で、固まっていた。
「――本当にごめん!俺が全部悪いんだ……。美咲には俺なんかより、もっといい男が似合ってるよ……。」
隆司は、頭を下げて謝っている。
けれどあたしは、固まったまま動けずにいた。
「―――み、美咲……?」
頭がついていかない。
今日、あたしはプロポーズされにここに来たんじゃなかったっけ?
でも目の前にいる恋人は、あたしに、
「別れてくれないか。」
そう、言った……。
「――嘘、でしょう?冗談だよ、ね……?」
やっと口から出た言葉は、ありきたりなもので、ただ言われた言葉の意味を確かめたかった。
「……俺は、本気だ。」
「………。」
あたしの顔から、可愛い笑顔が剥がれおち、みるみる血の気が引いていった。
―――隆司は、あたしに別れて欲しいと言っている。
その時あたしは、自分が人生最大のピンチに陥っているということに、やっと気付いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!