ある日の妄想

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「デートしようよ」  学校帰りの住宅街。  人生初の彼氏、桐島先輩から私、西崎優里はデートの誘いを受けた。  デート。その一言が、私を妄想の世界にトリップさせる。  この辺でデートするのであれば、電車を利用して街に行くことは間違いないだろう。  街で勇斗さんとゲームセンターに寄って、ユーフォーキャッチャーなんかやってみたりするんだ。  可愛いぬいぐるみをGETしようと、まず私が挑戦する。全然上手くできない。お金ばかり消費してしまう。 『あ~、またダメだぁ』 『西崎。ちょっと代われ』  桐島先輩がお金を入れる。  真剣な横顔を見て、私はときめく。そして先輩はなんと一回で、ぬいぐるみをGETしてしまうのだ。 『ほら。プレゼント』 『あ、ありがとうございます……』  顔が熱い。ちょっと恥ずかしそうに視線を反らす、その先輩の仕草がまた堪らない。 『なぁ西崎』 『な、なんですか?』 『ご褒美くれよ』 『どーゆーことです?』 『分かってんだろ?』  先輩の手が私の胸を撫でる。  かぁっと顔が火照る。心臓が弾ける。頭の中がフル回転しすぎてマヒしてしまう。 『あっ……ん……だ、ダメです先輩……こ、こんなところでぇ……んんっ』  口答えするなと言わんばかりに、先輩の唇が私の唇を塞いでしまう。
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