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「――であるからな!これにて俺の話は終わりだあっ!起立っ!」
先生の一声で所々から椅子を引く音が響く。それは一人の少年を除いて……だが。
「あっ!えーと……せ、瀬川君!早く起きないと!」
机に臥してると、何やら誰かが俺の肩を揺さぶっていた。
顔を上げて状況を把握する。
あぁ、寝ている俺を前の席の娘が起こしてくれたんだ。そこまで考えつくのに、時間はかからなかった。
「助かったよ。ありがとな」
「あっ、いや!ど、どう致しまして!」
えーと、確か前の人だから……頭の片隅に名前が残っている。
「……鈴木さんだっけ?」
「あ、はい!鈴木 真紀って言います!今後よろしくね?」
おお!意外に覚えてるもんだなぁ!
と一番自分が驚いた。
結構うる覚えだったからさ、間違ってないかと不安だったけど……
それにしても、なんかいい感じだな?こうやって友達って出来ていくんだよな。
「ああ、よろし――…」
「そこ!何喋ってんだ!」
……先生。せめて最後まで言わせて下さいよ。
友達作る第一歩ですよ?
「す、すんません……」
「すみません……」
やっぱりこの人はKYだ。改めてそう分かった。
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