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気付けば朝。
眠りについている俺の頬に、なにやら柔らかいものが当たった。
ん…?
「……」
目をうっすら開けてみると、なにやら顔を赤くした美月が俯き気味で座っていた。
どうしたんだ?そう聞こうとしたが……
俺の中に、ある言葉が頭を過ぎった。
“キス”
おぉ、そうか。昨日キスで起こすとかそうじゃないとか約束したような。
でも今の美月を見ると…?
うん……ってことは!?
途端に目が覚めてしまった。
勢いよくガバッと布団から起き上がる。
「美月、やっぱこの起こし方のほうが断然いいぜ!」
親指をグッと立てる。
「も…もう知らないから!」
美月はそっぽを向いてしまった……
だが、その姿を見て俺は確信した。
や は り そ う だ と !
しかし、ただ手を頬に当てられただけで、キスしようとしても結局はされず終いだったなんて。
その事実に気づいたのは数秒後。美月が自分で言い出した。
それを知らずに喜んでいた俺って……
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