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次の日。俺はなんとなくけだるい気分で外に出ていた。いや、家から出された。なんでもお客さんが来るとかどうとかで邪魔だと。はっきり言われました。
「くそっ、今日は一日中寝て昨日の疲れを取ろうと思ってたのに…兄貴のヤツ…」
まぁ、兄貴に何を言っても無駄だとわかってたので何の抵抗もしなかったけど…
「さて…どこにいくかな…」
あいにく今は追い出されたため、なにも持ってない。財布と携帯すらもだ。お客さんは三時くらいまでいるらしいから…昼飯をどうにか調達する必要があるわけだ。
まぁ、食べないという選択肢もあるけど、残念ながら朝飯も食べてないのでそれはできない。
つまり…
「朔の家だな」
俺は徒歩二十分の朔の家に行くことにした。
さすがに二十分も歩くと疲れる。ましてやエネルギーゼロの状態だし。
「それでもなんとか到着っと…」
朔の家はマンション。なにやら事情があって一人暮らしらしい。まぁ、俺に好都合な家だ。朔には悪いけど。
俺はインターホンを押した。
ピンポーン…
ありがちな音がドアごしに聞こえてきた。
「誰ですか?」
「あ、俺。ミライだ。ちょっと入れてくれないか?」
「…まぁ、いいが。荒らさないって約束するか?」
「あぁ、するする」
「じゃあ、入れよ。鍵は開いているから」
よし、ついに寄生先が見つかった。
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