第一話 ちょっとした告白

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「おっ、なんか楽しそうな話ししてんじゃん。」 「なんだ、ユイか。」 「なんだとはなんだ!!別にいいじゃん!!何の話してたの?」 「ほら、あれだよ、去年の夏の…」 「あ…あれか…あれはわたしにとって嫌な思い出だった…」 「ん?ユイなんかあったっけ?」 ナツが問い掛ける。 「ほら、プール行ったじゃん。あの時わたしが飛び込み台から飛び降りたの覚えてる?」 「そういや何回かしてたな。…あっ、あれか!!!」 「そう、それ!!最後にやった飛び込み!あれはいい恥曝しだったよ…」 ユイがなぜか遠くを見るような目をしている。 「あの時は俺も焦った。まわりに人がいたらもうあれどころじゃ…」 「言うなっ!!」 バシッ 「痛っ!!」 ユイが俺の後頭部を平手で叩いた。 ちなみにこの姫野唯(ヒメノユイ)が犯した失態とは、飛び降り、着水したときに水着が脱げてしまったことだ。 脱げた本人は脱げた水着を確認するまで気付かず、一緒にいた俺たちに己の小振りな胸をあらわにしてしまったのだ。 まぁ、逆に言えば俺たちしかまだ見ていなかったのでよかったのだが…当の本人はかなり傷ついていた。そのあと機嫌を直すのにどれだけ手間がかかったことか… 俺は見てもどうにも思わなかったけど!! 「とにかく!そのことは忘れてよ?」 「自分で振ったくせに…」 「なんか言った!?」 「いえ、何も!!」 もう平手はごめんだ。本当に無駄に地獄耳な奴だ。 「というか、俺たちがしていたのはそんな話じゃなくて、今年はどうするかってこと!!」 「あっ、なんだぁ。」 やっとわかりやがったか。 「それでさ、ボクは今年もミライに任せようと思ってるんだけど…」 「ふぅん…まぁわたしはプール以外ならどこでもいいけど」 よしっ、これで俺の好きにできる!コイツらにはわるいけど。まぁ、そんなの知らねっ!!
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