超。短編集

～黄緑～

だから、あんたの期待には答えられないんだってば。

散々心の中で繰り返した言葉。

あたしはいつもいつも近寄って来てはへらっと人懐っこい顔して笑うあんたが、欝陶しくて仕方がないんだ。

なのにそんなことに気付きもしないあんたはまたのこのことやってくる。

「ねぇ。今日はどう？？」

にこにこ。
天真爛漫。
裏表のない奴だって噂は知ってるけど。

ただ鈍感なだけなんじゃないの？

あたしがどう思ってるのか言ってやりたい。

言ったらあんたは泣くかな？

もう近寄らなくなるかもしれない。

それはいいアイディアかもね。
なんて思いながらあたしはただ沈黙する。