~黄緑~

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「え?なにやってんのー?」 クラスメイトがあいつに声をかける。 「もー時間になっちゃうよ。行こう」 あいつは申し訳なさそうにこっちを見て、それから『また来るね』といって立ち去った。 なんだよその目。 そんな顔してあたしを見るな。 偽善者ぶって。なにさ。 扉が閉じる間際にクラスメイトの声が聞こえた。 「…さんって優しいね」 冗談じゃない。 あいつのどこが優しいんだよ。 評価上げたいだけだろ。 影では馬鹿にしてんだろ。 怒りがわきあがる。 ほんとは違うのに。 あたしはその部屋にたった一人になった。
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