祭り

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疾風と別れて大河となべ歩いていると 、 「強い奴はいねぇ~か~この大吾様に挑戦する奴はいねぇ~か~」 声の方に近づいて行くと、筋肉質の男の周りに、人だかりが出来ていた。 「誰もいないか~ やはり俺様が一番強いんだぞ」と大吾は言う。 「あれは、脳みそも筋肉な感じだな」と大河は呆れた表情でなべに言う。 すると、 「俺が相手になるぞ」と一人の男が前に出て来た。 その男は、中肉中背筋肉質ではない。 見た目、若い男である。 「うるさいですよ。あなたは」 その男からの第一声が注意からだった。 「何!誰だお前は?」と大吾が起こりながら問いただす。 若い男が話しだす。「私は、桧山と言います。あなたは、声がうるさいですよ。もっと落ち着いてください」 桧山は落ち着いた口調で話をする。 「若僧だまれ!」 大吾は大声で制止しようとする。 「ほら、またうるさいくらい大声を出して」 桧山は挑発してる。 「我慢ならん。ガキでも容赦しねぇ」 大吾は桧山に向かって、真っ直ぐ走って行く。 桧山は両手を合わせて、目を閉じ呼吸を整えている。 「ス~ハ~」 深い深呼吸の後、 目を開け両手を相手に向かって突き出した。 大吾に両手が触れると、 [じゅじゅ~] 焼けるような音が聞こえる。と 「ぐわ~」大吾の悲鳴。 大吾の胸に、手のひらの後がくっきり焼き付いていた。 「これで、誰が強いとか、偉そうな事は言わない事ですよ。」 桧山はそう言い残し、その場から立ち去る。 「次は負けねー」 大吾は、負け惜しみのような言葉を残した。
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