星砂時間。

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星砂時間。

目の前にいる彼は、 夜空の星を指でなぞりながら 「この光が嘘だったとしても 自分が今こうして 光をなぞっていることは 嘘じゃないんだ。 光に触れているこの瞬間は 本物なんだ。」 なんて言った それを見て周りの人達は 口々に彼が楽しそうにしている、 なんて言うんだ だけどわたしには、 その間に詰まった悲しみが 伝わるから 「例えばこの時間が 嘘だったとしても、 わたしが今こうして 読み進めた本のページは 嘘、じゃないのよ。 本当のことなの、よ。」 って言ってみたくなったの 彼は、目を丸くしたあと、 蕩けそうな顔をして 笑ってくれたっけ  
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