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あたしは泣きそうになった。
その時看護師さんが話し掛けてきた。
『あなたが泣いたらダメ。今大谷さんは頑張っているのよ。意識がなくても、耳は聞こえているの』
莉『耳は聞こえてる…?』
『そぉ。人間はね、心臓が止まっても最後まで耳は聞こえているのよ。いま頑張って生きようとしてる大谷さんに莉菜さんが声を掛けて』
あたしが声を…?
莉『あの…手を…手を握ってもいぃですか…?』
『構わないわよ』
あたしはゆっくりと悠護の手に触れた。
莉『悠護…』
悠護の手は少し冷たかった。
あたしは悠護の眠っているベッドの横に膝を付けた。
莉『悠護…聞こえる?あたしだよ…莉菜だよ…』
どんなに話し掛けても悠護は反応しない…
それでもあたしは声を掛け続けた。
莉『悠護…目を覚ましてね…あたし話したい事がいっぱいあるの…』
そぉ言うと涙が出てしまった。
泣いたらいけないと思い、目を拭った。
莉『あたし悠護が目を覚まして…また笑い掛けてくれるのを待ってるから…だから…お願い…早く目を覚まして悠護…』
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