心の声 君のため

4/13
前へ
/300ページ
次へ
あたしは泣きそうになった。 その時看護師さんが話し掛けてきた。 『あなたが泣いたらダメ。今大谷さんは頑張っているのよ。意識がなくても、耳は聞こえているの』 莉『耳は聞こえてる…?』 『そぉ。人間はね、心臓が止まっても最後まで耳は聞こえているのよ。いま頑張って生きようとしてる大谷さんに莉菜さんが声を掛けて』 あたしが声を…? 莉『あの…手を…手を握ってもいぃですか…?』 『構わないわよ』 あたしはゆっくりと悠護の手に触れた。 莉『悠護…』 悠護の手は少し冷たかった。 あたしは悠護の眠っているベッドの横に膝を付けた。 莉『悠護…聞こえる?あたしだよ…莉菜だよ…』 どんなに話し掛けても悠護は反応しない… それでもあたしは声を掛け続けた。 莉『悠護…目を覚ましてね…あたし話したい事がいっぱいあるの…』 そぉ言うと涙が出てしまった。 泣いたらいけないと思い、目を拭った。 莉『あたし悠護が目を覚まして…また笑い掛けてくれるのを待ってるから…だから…お願い…早く目を覚まして悠護…』
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4136人が本棚に入れています
本棚に追加