プロローグ

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街は月の淡い光、ネオンライトや車のライト、建物の明かり等様々な光が交差し、見る者を圧巻させる美しさを誇っていた。 そして、そんな街の喧騒から逃れ、高層ビルという高みから地上を見渡す影が一つ。 川   )「……この世界は醜く、脆く、美しい」 声から察するに女だろうか。 黒いコートを身に纏い、ビルの手摺りの部分に完璧とも言えるバランスを用いて立ち、地上を見ている。 川   )「だからこそ、この美しい世界を壊させるわけには――」 ごう、という強い風が吹き、女の素顔が街の明かりに照らされる。 川 ゚ -゚)「いかないな。この世界は私が護ってみせよう」 吹き抜けていく強風になびかれる髪を押さえながら、誰かのに問い答えるわけでもなく、ボソリと呟き、女は街の喧騒の中へ消えていった。
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