10/20
前へ
/21ページ
次へ
晩ご飯を食べ終わり、食器を台所へと運ぶ。 カシャカシャとガラスの擦れ合う音が響いて、少しだけ肩が竦んだ。 金魚はまだ食べ終わらないみたいで、その小さな口にご飯を運んでいる。 「着替えてくる。ゆっくり食べてていいから」 そう軽く笑いながら言うと、金魚は優しく微笑んで頷く。 ああ、また。 この笑顔が大好きだ。 適当な格好に着替えて再び金魚の元へ戻れば、既に食べ終わったようで食器を洗っていた。 華奢な後ろ姿が、僕を誘う。  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加