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「うるさい、ばか」 せめてもの反抗だった。 後ろから近付くと、男らしく抱きしめる代わりにトンと金魚の肩を叩いた。 「あ。そうだ、そうだ。もうすぐ修学旅行だね、ハジメくんは誰と同じ班になるの?」 両手を広げていた金魚は、その腕をおろし、僕を捉えながらゆっくりと首を傾げる。 そういえば、今は10月。そろそろ修学旅行の季節なのだ。 誰と班を組む、だとか正直考えるだけでも面倒だが、ここで面倒臭がっていたら何も始まらないし、性格の悪さがこれでもかと言うほどににじみ出てしまう。 「あー……適当だよ、たぶんサトキたち。」 「ふうん。」 こんな短い話のやりとりの間に、金魚はリビングに移動して、ソファーに腰を下ろしていた。
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