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「あ、そうだ。ハジメくん、宿題みせて」
夕食の最中に聞こえた、勉強の話。
少しからかってやろうと思って、鼻先で笑いながら
「ヤだよ。自分でやれ」
なんて、突き放してみる。
そうするといつも金魚は、決まって泣きそうな顔をするんだ。
「いいじゃない、減るものじゃないしさ、ね?」
こうやってお願いしてくるものだから、いつもいつも彼女に宿題を見せてしまう。
というか、本当は僕の方が宿題を見せてもらいたいくらいだ。
彼女は必ずテストでは5位以内に入る。その頭のいい金魚が、僕の宿題を写している。
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