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ある晴れた日の事、僕の所に政府の役人が、警察を連れて現れた。そして蛇のようなその男はこう言ったんだ。
「おめでとうございます、アナタは地球防衛軍のアートシュナイダーパイロットに選ばれました」
アートシュナイダー。現在地球に降りかかる様々な災厄を退ける人型強化外骨格、とは言っても十メートル近く有るらしい、詳しくは知らない。
銀に輝くその姿が時たまニュースに取り上げられる程度で、報道されてもせいぜいどこで何を倒した程度のニュースにしかならない。
そんな僕がいきなりパイロットなど出来る訳がない。そもそもパイロットに立候補した覚えも無い。
政府の役人は、紙を取り出し読み上げはじめた。
「地球防衛法四条、パイロット選定。
五項、地球防衛軍への入隊は、自己申請もしくは徴兵により行われる。
同十二項、徴兵に関しては、いかなる超法規措置もいとわない。」
そこまで、読み上げて彼は僕を見た。
「今のは簡潔な説明でして、詳しい内容はこちらに書いてあります。
疑問が有るのならどうぞ」
差し出された紙を受け取り、そこに目を通す前に僕は一つの質問をぶつけた。
「拒否権は?」
「ありません。
拒否した場合、国防を脅かしたとしてこの場で『シケイ』となります。」
「なんだって?」
僕は思わず聞き返す。
「ですから……」
とまで言いかけた役人の声は、耳をつんざく悲鳴に妨げられた。
開かれた扉の向こうに、隣人の女性が横切る。後ろを気にしながら逃げる形相が目に焼き付き、警官がそれを追いかけて行った。
そして炸裂音。多分、銃声。
咳払いをして役人は、話を続けた。
「拒否した場合は、即死刑となります。ただ死に方はお好きな物を用意出来ますので、死刑を待つ連中よりは楽ではないかと」
この男はさらりと何を言っているのだろうか?
拒否したら死刑? そんな無茶苦茶な話は無い。だが隣人の女性は……。
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