捕獲

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 会場全体が息を呑むのが伝わって来る、僕自身息を呑んだ。あのアートシュナイダーは危ないと。  案の定フレイムリザードは後ろへ振り向き、火球を放つ。しかし、アートシュナイダーもそれは覚悟の上で、横に飛び難なく回避した。  火球は通過した信号を熱でへし折り、道路を焼き、道端に停めっぱなしの車に引火、爆発させた。  フレイムリザードの注意が後ろへ向いた瞬間、既に他のアートシュナイダーが飛び出していた。ビルの上に乗り、次々と弾丸をフレイムリザードに浴びせる。フレイムリザードも抵抗して火球を吐くが、アートシュナイダー達はビルを盾に、逃げ回る。  今更だけど街への被害は考えていないのだろうか、見た所人はいないようだが……。    アートシュナイダーの一機が弾切れか何かをしたらしく、銃を捨て、腰から短剣のような刃物を取り出し、背後からフレイムリザードに駆け寄る。 「……迂闊」  坂城さんが横で呟いた。僕は「え?」と一瞬視線を向けたが、坂城さんの視線を追うように再び画面へと視線を戻した。  アートシュナイダーが短剣を構え切りかかったかと思うと、それは唐突に画面から消え、横のビルが崩れた。そのアートシュナイダーは、フレイムリザードの尻尾によりビルに叩きつけられたのだ。  危ない! 思った時には既に遅く、フレイムリザードは火球をそのアートシュナイダーに放つ。  閃光、そして轟音。ビルはアートシュナイダーの爆発も加わり、周囲のビルすら巻き込み高く火柱を上げた。マップから青い点が一つ消える。    他のアートシュナイダーが敵討ちとばかりに、フレイムリザードに弾丸を浴びせ初め、それから五分後、フレイムリザードは遂に糸が切れたように倒れた。  アートシュナイダー七機は無傷、そして、その七機は警戒する素振りを見せながら、フレイムリザードに近付き短剣を引き抜いた。一機がフレイムリザードの頭に深々と剣を突き立てると、後はあっという間、次々とアートシュナイダーはフレイムリザードに切りかかり、フレイムリザードの血が道路に広がり初めた。そこで映像は終わる。
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