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結論から言おう
私こと流鏑馬維人(やぶさめいひと)は誰かのために弓を引くことはない
そしてもう一つ勘違いしないでくれ
流鏑馬という名前だが私は馬には乗れない
もっぱら地に足を着けてゆっくりきっかりしっかりと弓を引く
で、何の結論を言ったのか
そう、この物語は私の私による私のための物語だ
故にだ、先程私に弓を引く依頼をしてきた彼の者のために弓を引くことはない
そう思っていた
しかしその事態は私を逃がしはしなかった
正に影を射られ影縫いにあったかのごとく、私を引き留めた
全く私の事情などお構い無く、怪奇に見入られた
さて、ことの起こりを話そうか
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