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「お母さん、大丈夫だよ。ちゃんとここは働いてる。」
私は右手で握り拳を作って、心臓をトンと叩いて見せた。
「そっ……そんなこと――」
「大丈夫。この心臓の持ち主だった人は私よりずっとずっと強い人だよ、きっと」
お母さんの言葉を遮って言った。
どうしてこんなことを言ったのかわからないけど、何だかそんな気がした。
私の中で強く鼓動し、存在感を示す心臓が言葉ではない何かで私にそう訴えているのかな。
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