始まりの手紙

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「‥‥すごい特集組むのね、こんな小さなお店1つに」 ぽつりと、彼女はそんなことをつぶやいた。片手には大きくフリーの文字が書かれた薄い雑誌を持って。 実は彼女、20分間この状態だ。 (入っても、いいのかしら) ひたすらこの質問を自分に投げ掛け、答えがでないから中に入れない。 このお店は、何も考えずに、気軽に入れるような雰囲気を醸し出しているのに。 カラン、カラン‥‥ また他のお客に先を越されてしまったようだ。
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