始まりの手紙

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一応、なんとなくだが30秒数え、少女に続いてすぐに入るのは避けた。 そして、その扉をあけた。 「いらっしゃいませ。」 「お一人様かな?どこでも好きな席に座っておくれ。」 そこには優しそうなおばあさんとおじいさん。『喫茶店』と言うのがなんとも似合うお二人だ。 少し緊張していたのが解れ、彼女は端っこのカウンターへ控えめに腰かけた。 「どうぞ、少し外は肌寒くなってきたからねぇ」 おじいさんが差し出したのはあたたかいコーヒー。 「え、あ。」 おじいさんはシーっと口に指を当てた。サービスだよ、と笑顔を添えて。
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