第二章 本家と分家

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「ふむ…これはなかなかの猛火だったようだな…この部屋の中だけ…」 アコギは引っ掛かる喋り方をする。 103号室…幸馬の病室にたどり着いてから、アコギはぶつぶつ呟きながら物色する。 「…ふっ、これはでっち上げもいいところだな。通りで快く現場検証に応じなかったわけだ」 「ど、どうしたんだ?」 俺はようやく簡素だが口を開くことができた。 「…お前の目は節穴か?それとも目からの情報を脳で理解できないのか?」 冷たい目と声が向けられる。 「え?いや、そんなこと言われても…」 幸馬の事で頭がいっぱいで混乱している俺には無理な話だ。 「…言葉の情報だけを信じ、それほどまで動揺することが私には気が知れないよ」 アコギはやれやれと手を横でふる。 どうせフードの下の顔も呆れているのだろう。 「…まぁいい、出火原因は漏電って言ったの覚えてるか?」 俺は混乱する頭で記憶を引っ張りだし、返事をする。 「あ、あぁ」 「…どこから?」 「え?」 呆気にとられた俺に対して、アコギは再び呆れたように首をふる。 「…とうとう耳からの情報も理解できなくなったらしい…もう一度わかりやすく訊く、この部屋のどこから漏電したと思うのかと訊いている」 アコギの平淡な声が頭に入ってくる。 「え?いや、そりゃ…そこのコンセントのとことか…」 俺はよく考えずに簡単に答えてしまった .
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