第二章 本家と分家

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「さて…何となくわかってきた…下に行くぞ」 そう言うとアコギは俺の横を通り過ぎ、病室から出ていった。 (俺には何もわからない…俺には幸馬の無念を晴らす力は無い) 悔しさの余り唇を噛み締めたが、その鋭い痛みにすぐ噛むのを止めた。 こんな小さな痛みにも耐えられない自分がさらに嫌いだった。 そしてこんな所で黙って立っているより、アコギの後を追うことの方が大事だと俺は思い立った。 (ん?これは…) 俺は病室から出ようとして、病室の片隅に何かを発見した。 (バッチ?) これは…!! 橘学園の校章じゃないか!! でも裏の紋章は初めて見るな…何かの花にも見えないこともない…。 とりあえず俺はそのバッチをポケットに入れてアコギの後を追った。 これが後々大きな影響を出すとは知らずに…。 .
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