55人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
こんなに、夏は暑いのに
お前が居らん間、僕は凍死寸前。
流鬼が寝てないベッドで眠るなんて、それこそ自殺行為。
いっつも腕枕しとるやろ?
あれの所為で、お前の重み無しじゃ軽くてしゃーない。
僕が、幾ら暑い言うても“寂しい”や何や言うて摺り寄って来とったやんか?
どないするつもりなん。
僕、流鬼の子供体温に慣れてしもうてん。
あっつい位のお前の温もり無しじゃ、寒くて寒くて堪らん。
「全部、お前の所為やからな」
既に、夢の住人と化した流鬼に聞こえる筈、無いんやけど。
腕ん中で、クカクカ寝息を立てとるアホ面に、柄にも無くキスをして。
ずっと欲していた、重みと温もりを抱きながら
久し振りに安眠出来そうな心地よい感覚に、身を委ねた。
☆終わり★
最初のコメントを投稿しよう!