きつねとたぬき

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--------- --------------- 「…ふぅん、それがキミの思う生まれ変わり論ってヤツ~?」 『そっ!俺達はみーんな試練を乗り越えたから今があんだぜー?』 時刻は夜の11時半… 居酒屋で持ち前の得意ネタを語ったのは俺 【早河 学 (ハヤカワ マナブ)    25才】 テーブルの向こうで座るギャル3人は、それを聞いてポカンと口を開けている “ドンッ!” 「おい学、お前イイ加減それやめろっつーの!」 俺の横に座る裕也は、 ギャルに聞こえない様に俺を小突いてニラむ… 『ハハッ、やめねー!コレ使えるネタなんだからよ~』 更に横に座っている一樹は 俺と裕也の恒例のやり合いを、 いつもの様に笑って仲裁する… 「やめとけって、姉ちゃん達シラケんだろ~?」 「…ね、ねっ!その“約束”ってなぁにぃー?」 その時小声で話す俺達の会話に ギャルの1人が割り込んできた… 「…ハァ~…」 そのギャルの目の輝きを見た裕也は、小さくため息をついて俺をニラむ ははー…ん… どうやら狙いはこの女だったみてぇだな 悪ぃな裕也、今夜も俺の勝ちってコトで! 『おー、よくぞ聞いてくれましたっ!その約束ってのは………今夜のこの合コンだぜー!!』 「「きゃ~っ!!」」 高々とあげた俺のビールジョッキに、ギャル達はうれしそうに自分のグラスをぶつける… ““キンッ!”” 『俺達の出会いに?!』 「「「カンパ~イッ!!」」」 …いつもこのネタで 少なくとも必ず1人は引っかかる 今日も楽勝だったなー 大した女いねぇけど…さぁてどれにすっかな?  
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