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返事を確認すると、見ていた雑誌を閉じ、キッチンへ移動。
冷蔵庫を開けると、中を覗き込み、メニューを考える。
大根があるから、ツナと煮るか…。
御飯…は、今朝の残りがあるから良いとして。
味噌汁?具になるもの…
…ほうれん草しか無い。
実の所、俺は、青菜類の扱いが苦手だ。
お浸しにすれば、茹で過ぎてベチャベチャ。
味噌汁にすれば、必ず変色させてしまう。
食べれない事もないのだが、決して美味い訳ではない。
「流鬼ー、冷蔵庫、煩い」
気が付けば、ほうれん草を片手に、随分と考え込んでしまっていたらしい。
この冷蔵庫は、扉の開放時間が長くなると“ピーッ”と警告音が鳴る。
しかも、長ければ長い程、何度も、何度も。
――――あぁ、もう仕方ない。
煩く鳴り響く冷蔵庫を一旦閉めて、右手に持ったほうれん草をシンクに置いた。
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