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「…京さん、大根固いです」
厚切りにされた大根は、中々火が通ってくれず…口の中で小気味良い音を立てた。
「流鬼こそ、ほうれん草、グッチャグチャやで?」
デロデロになるまで火を通されたそれは、すっかり変色して、最早、ほうれん草と言える代物ではなかった。
「俺ら、ダメダメっすね(笑)」
「せやなぁ(笑)」
失敗作だらけの夕食なのに、こんなにも幸せを感じる。
京さんの作った料理と、俺の作った料理。
初めての“共同作業”
「京さん、食器洗い、手伝って下さいね」
「嫌やー」
「何ですか、もぉー」
さっきよりも、素直になっている自分に驚いた。
貴方の一言は、何よりも大きい。
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