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一連の流れを通して…1つ、気付いた事がある。
2ヶ月間、一緒に暮らしていたが、こうやって二人で“作業する”事は初めてだ。
中々、オフが合わない事もあるけれど…家事は、俺の仕事だったから。
「先ず、大根を水煮して下さい」
――――“俺の”“仕事”?
もしかして、俺はとんでもない思い違いをしているんじゃないか。
“手伝ったろか?”
俺が勝手に“自分の仕事”だと思い込んでいただけで――――
彼に甘える事を怖がって、何時の間にか壁を作っていたのは…
「味付けは、出汁と砂糖、醤油、みりん。
酒も少し入れて下さいね」
俺の方じゃないか。
京さん、俺は、貴方に…
「流鬼」
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